びまん性脱毛症を自力で治すには?原因や対策、女性の薄毛が治るまでの期間も解説

2025.07.072025.08.20

この記事では、びまん性脱毛症の原因や対策、自力で治す方法などについてご紹介します。

びまん性脱毛症の治療薬「ミノキシジルタブレット」や「パントガール」の効果や副作用、女性薄毛治療(FAGA治療)・びまん性脱毛症におすすめの髪型などもご紹介しているので、びまん性脱毛症に悩んでいる女性は参考にしてみてください。

目次

びまん性脱毛症とは?セルフチェックで初期症状を見分けてみる

びまん性脱毛のセルフチェック

「びまん性」とは、症状が比較的均等に広がっている状態を指す医学用語であり、「びまん性脱毛症」はまばらに抜け毛が増えて頭部全体が薄くなっていく脱毛症です。男女関係なくなり得る疾患と言われていますが、主に女性が発症するケースが多く、高校生や20代の若い女性がなる場合もあります。

自分の薄毛の症状は、びまん性脱毛症の初期症状に当てはまるのか、リストを利用してセルフチェックを行ってみてください。

びまん性脱毛症の初期症状セルフチェックリスト一覧

以上のことが2つ以上当てはまった方は、びまん性脱毛症を発症している可能性が高いです。

ただし、円形脱毛症と併発している場合や、びまん性脱毛症ではなくFAGA(女性男性型脱毛症)の可能性もあるため、次の項目も併せてチェックしてみてください。

びまん性脱毛症と円形脱毛症やFAGAとの違い

びまん性脱毛やFAGAとの違い

びまん性脱毛症と思い込んでいても、別の皮膚疾患や脱毛症の場合もあります。びまん性脱毛症以外の脱毛症には、どういったものがあるのか症状の特徴をご紹介します。

各脱毛症の特徴まとめ

これらの脱毛症は、皮膚科を受診することで治療が行えます。

また、女性の薄毛症状であるFAGA(女性男性型脱毛症・壮年期脱毛症)は、びまん性脱毛症の一種ですが、厳密に言うと、加齢によるホルモンバランスの低下に伴うびまん性脱毛症がFAGAであると言われています。

FAGAについては、次の項目内で詳しくご紹介します。

びまん性脱毛症の原因!ホルモン・血行不良・遺伝は関係ある?

びまん性脱毛の原因について

びまん性脱毛症は何が原因で発症するのでしょうか?

この項目では、びまん性脱毛症の主な原因をいくつかご紹介します。自分の薄毛症状の原因に当てはまるのはどれなのか、気になる方はチェックしてみてください。

びまん性脱毛症の原因は生活習慣(食事・睡眠・運動不足)

食事や睡眠、運動不足やストレスなど、生活習慣の乱れからびまん性脱毛症を発症している場合もあります。

生活習慣チェックリスト一覧

食事の栄養バランスが偏っていると頭皮に必要な栄養が十分に摂れず、毛髪の成長を妨げてしまう可能性が高くなります。特に、脂質や糖質が高い食べ物やタバコ・アルコールを摂取することが多い場合、皮脂による毛穴のつまりや血行不良を招き、頭皮環境を乱れさせるリスクが高くなるため、量や頻度に注意するようにしましょう。

食事バランスだけでなく、運動不足やストレスの蓄積も血行を悪化させ、びまん性脱毛症の原因になります。酸素や栄養素の循環が滞ると、頭皮環境や毛髪の成長にも影響が出てくるため、ウォーキングやストレッチなど軽い運動から取り入れてみましょう。

また、質の良い睡眠が不足している場合も、びまん性脱毛症になりやすくなると言われています。毛髪の成長を促す「髪の成長ホルモン」は、就寝中22時~2時の間に分泌されるため、この時間帯を目安に平均6時間程度睡眠をとるようにしましょう。

びまん性脱毛症はヘアカラーや白髪染めによるダメージが原因?

びまん性脱毛症は、ヘアダメージが原因で進行してしまっている場合もあります。

ヘアカラーやパーマが髪に負担をかける

ヘアカラーや白髪染めは、髪の毛がカラー剤に反応することで染色するため、カラー剤が毛根自体に直接関係してくるわけではないと言われています。しかし、薬剤を塗布する際、頭皮にも付着するため、結果として頭皮に刺激や負担を与えることになります。

そのほか、カラーだけでなく、髪へのダメージが大きいパーマや縮毛矯正などを頻繁に行う女性も注意が必要です。パーマや縮毛矯正も、びまん性脱毛症の直接的な原因というわけではありませんが、薬剤や熱によって頭皮・毛髪に負担をかけるため、びまん性脱毛症になりやすくなる可能性があります。

心当たりがある女性は、カラーやパーマなどの頻度や薬剤の成分などを見直すようにしましょう。

【びまん性脱毛症原因】ホルモンバランスの乱れとエストロゲンの関係性

びまん性脱毛症は、ホルモンバランスの乱れが原因の可能性も考えられます。

女性ホルモンの分泌量は年を重ねるごとに減少していくため、ホルモンバランスがゆらぎやすくなります。産後や更年期を機に女性ホルモンが減少してしまう場合も多く、それによって、男性ホルモンの影響を受けやすくなり、FAGA(女性男性型脱毛症)を引き起こす可能性が高くなります。

FAGAの仕組み

男性ホルモンと還元酵素5αリダクターゼが結びつき、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、毛根に作用することで、FAGAを発症し、抜け毛や薄毛になりやすくなります。

FAGAの仕組みについて毛根の図説

男性のAGAは生え際や頭頂部にはっきりと薄毛の症状が出ますが、女性のFAGAの場合は頭部全体の毛髪が薄くなる傾向があると言われています。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには毛髪のハリ・コシや艶を出す働きだけでなく、髪の成長を促す働きがあるため、女性ホルモンが減少すると健康的な毛髪を維持することが難しくなり、抜け毛が多くなってきます。

避妊や月経前症候群(PMS)の軽減などの目的で使用される「低用量ピル」には、エストロゲンを抑える作用があるため、若い女性でもピルを使用する方は、FAGAが原因のびまん性脱毛症になる可能性が高くなることを理解しておきましょう。

びまん性脱毛症は遺伝と関係ある?

びまん性脱毛症は遺伝が原因で発症するとは言い切れず、身内に薄毛の人がいるからと言って、必ずしもびまん性脱毛症になるわけではありません。

ただし、FAGAの原因である5αリダクターゼの分泌量や男性ホルモン受容体の感度などは遺伝によって決まるものなので、びまん性脱毛症がFAGAによるものだった場合は、遺伝によって引き起こされている可能性があります。

びまん性脱毛症の原因がFAGAかどうか正確に診断してほしいという方は、皮膚科やFAGA治療専門クリニックなどを受診してみるとよいでしょう。

びまん性脱毛症は自力で治る?自然治癒や進行は早いのか解説

びまん性脱毛の自然治癒について

びまん性脱毛症には様々な原因が考えられますが、食事や睡眠などの生活習慣やヘアカラーや白髪染めによるヘアダメージなどが原因の場合は、それらの原因を見直すことで、びまん性脱毛症の改善が見込める可能性があります。

しかし、FAGAが原因のびまん性脱毛症自然治癒は望めず、自力で治すことは難しいと言われています。そのため、びまん性脱毛症の原因がFAGAの女性は、薄毛治療専門のクリニックや皮膚科などを受診し、びまん性脱毛症治療を行うことが必要になってきます。

また、びまん性脱毛症の進行速度は他の脱毛症と比べてゆっくりなので、初期症状を発症していることが分かりづらく、気付かないうちに症状が進行している場合があります。FAGAが原因のびまん性脱毛症の場合は進行性の脱毛症のため、髪質や毛量の変化に気付いた際は早めに医師に相談し、治療を開始することが大切です。

次の項目では、びまん性脱毛症の治療はどのような治療薬や治療法を用いて行うのか、解説するので、気になる方はチェックしてみてください。

びまん性脱毛症を改善!女性薄毛治療の投薬治療

びまん性脱毛の改善の投薬治療について

びまん性脱毛症の投薬治療で用いられる、パントガールやスピロノラクトン、ミノキシジルなどの治療薬の効果や副作用をご紹介します。

AGA治療(男性の薄毛治療)で用いられる、フィナステリドやデュタステリドを女性が使用した場合についても解説しているので、投薬治療でびまん性脱毛症を治療したいと考えている方は参考にしてみてください。

びまん性脱毛症パントガールの効果

主な配合成分 パントテン酸カルシウム、L-シスチン、ケラチンなど
期待できる効果 頭皮に栄養を行き渡らせ、頭皮環境を整える
起こりうる副作用 蕁麻疹、発疹、吐き気、腹痛、頭痛、動悸、めまいなど
服用できない方 ・妊娠中や授乳中の方
・12歳未満の子ども
・パントガールに含まれる成分にアレルギー反応が出たことがある方 など

びまん性脱毛症の治療に使用されるパントガールには、髪や皮膚を正常に保つために必要なビタミンの一種「パントテン酸カルシウム」や毛髪を構成するタンパク質「L-シスチン」、毛髪の健康を維持するために必要な「ケラチン」などの成分が配合されています。

これらの栄養素が補われることで、頭皮環境が改善され、びまん性脱毛症の改善が期待できるようになります。

現在のところパントガールを使用して、重篤な副作用が出たという報告はありませんが、上記のような軽度の副作用が起きる可能性があるため、体調に異変を感じた際は、早めに医師に相談するようにしましょう。

パントガールは、配合成分がサプリメントに近いため、びまん性脱毛症の治療が初めての方も使いやすい治療薬ですが、国内では未承認薬のため、クリニックで医師の説明を受けたうえで処方してもらうようにしましょう。

びまん性脱毛症にスピロノラクトンは効く?

スピロノラクトンの特徴まとめ
主な配合成分 スピロノラクトン
期待できる効果 FAGAの原因を感知するアンドロゲン受容体の働きを抑える
→抜け毛の予防
起こりうる副作用 頻尿、口渇、低血圧、生理不順、乳房痛、不整脈、倦怠感など
服用できない方 ・妊娠中や授乳中の方
・無尿または急性腎不全の方
・高カリウム血症またはアジソン病の方
・スピロノラクトンに対して過敏症や既往歴がある方 など

スピロノラクトンは、高血圧症や心性浮腫の治療薬として用いられる治療薬ですが、FAGAの原因である「ジヒドロテストステロン」がアンドロゲン受容体と結びつくことを防ぐ作用があるため、抜け毛を予防する効果が期待できるとして、びまん性脱毛症の治療薬としても使用されています。

スピロノラクトンには、利尿作用があるほかホルモンバランスにも影響を与えるため、上記のような副作用を伴う可能性があります。副作用は必ずしも起こるものではありませんが、体調に異変を感じた際は、早めに医師に相談するようにしましょう。

発毛促進薬ミノキシジル外用薬とミノタブの効果

主な配合成分 ミノキシジル
期待できる効果 頭皮の血行を促進し発毛を促進させる
起こりうる副作用 外用薬:発疹、かゆみ、かぶれ、頭痛、めまい など
内服薬:肝機能障害、多毛症、動悸、めまい、頭痛 など
使用できない方 ・妊娠中や授乳中の方
・未成年の方
・ED治療薬や風邪薬、頭痛薬を服用している方
・心臓や腎臓の機能が優れない方 など

ミノキシジルは、高血圧症の治療に用いられていた治療薬ですが、多毛症の副作用が見られたことから発毛薬として、びまん性脱毛症を始めとする薄毛治療に用いられるようになりました。

有効成分ミノキシジルには、血管を拡張する作用があるため、血行が促進され、頭皮へ栄養が行き届きやすくなり、発毛促進効果が期待できます。パントガールやスピロノラクトンなどの治療薬と併用することで、びまん性脱毛症を予防しながら薄毛部分の発毛を促すことが可能になります。

ミノキシジル治療薬には外用薬と内服薬(ミノタブ・ミノキシジルタブレット)があります。

ミノキシジル外用薬 国内承認薬
・日本皮膚科学会のガイドライン上の推奨度はA(行うよう強く勧める)
・女性の場合は配合濃度1%が推奨されている
ミノキシジル内服薬 国内未承認薬
・日本皮膚科学会のガイドライン上の推奨度はD(行うべきではない)

ミノキシジル外用薬は、びまん性脱毛症を発症している部分に塗布するため、塗布部分のかゆみやかぶれなどの副作用が出る可能性があります。一方で、ミノタブなどの内服薬は、体内に直接取り込むため、全身や内蔵に関する副作用が出る場合があります。

副作用は必ずしも起こるものではありませんが、体調に異変を感じた際は、早めに医師に相談するようにしましょう。

初期脱毛について

びまん性脱毛症の治療を開始して10日〜1ヶ月経過した頃に、抜け毛が増加する副作用「初期脱毛」と言います。「薄毛を治療しているのに抜け毛?」と不安になる女性もいると思いますが、初期脱毛が見られるということは、治療薬の有効成分などの働きによってヘアサイクルが整い始めている証拠なので、治療を継続しても問題ありません。

初期脱毛のヘアサイクルの図説

しかし、3ヶ月以上経過しても症状が治まらない場合や、抜け毛の量が増加しているなど異変を感じた際は、すぐに医師に相談しましょう。

【注意】フィナステリドとデュタステリドの使用について

男性のびまん性脱毛症やAGA治療では、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬が処方されることがあります。

フィナステリドやデュタステリドは、「びまん性脱毛症の予防」や「抜け毛の抑制」といった効果が期待できますが、男性ホルモンに働きかける治療薬のため、女性の使用は禁止されています。

特に、妊娠中の方や授乳中の方は、胎児や乳児へ影響が出てしまうため、服用はもちろん、皮膚からも吸収されるので、割れたり砕けたりして中の有効成分が出てしまっている錠剤には絶対に触れないようにしましょう。

びまん性脱毛症を治療!女性薄毛治療のメソセラピーと植毛

びまん性脱毛の治療について:メソセラピーと植毛

びまん性脱毛症の治療では、注入治療自毛植毛など施術による治療も行えます。

施術の効果や副作用などそれぞれご紹介するので、投薬治療以外の方法でびまん性脱毛症を治療したい方は参考にしてみてください。

注入治療
注入治療の種類 メソセラピー:有効成分や成長因子、栄養素などを含んだ薬剤を注入する
HARG療法:既定の薬剤「HARGカクテル」を使用して注入する
注入法 ニードルメソ:注射針を使用する注入法
ノーニードルメソセラピー:針を用いずに高圧ジェットや電気パルスなど用いる注入法
期待できる効果 発毛の促進 など
起こりうる副作用 施術部の痛み、赤み、かゆみ など※1
※注入薬に含まれる成分によって異なります
※1 注入薬による副作用は含みません

注入治療は、頭皮に直接薬剤を注入することで、有効成分が毛根に行き届きやすくなり、発毛促進などの効果が期待できる治療法です。

メソセラピーの場合、注入薬の種類によって配合成分が異なりますが、HARG療法の場合、配合成分が定められている「HARGカクテル」と呼ばれる共通の薬剤を注入するため、どのクリニックでも同じ薬剤を用いて施術が行えます。

注入法もクリニックによって異なりますが、注射器など針を用いて施術を行う方法や、針を使わずに水蒸気や電気などの力で浸透させる方法などあるため、痛みの感じ方を考慮して選択するといいでしょう。

自毛植毛
自毛植毛の図説
植毛法 ニードル法:植毛針を用いて一本ずつ穴あけと植え込みを同時に行う施術法
FUT法:メスで頭皮を切り取り株を移植する施術法
FUE法:パンチブレードを使って株を一つずつ移植する
期待できる効果 薄毛部分の増毛
起こりうる副作用 施術部分の痛み、腫れ、赤み、傷跡、ショックロス など

自毛植毛は、びまん性脱毛症の影響を受けていない毛根を採取して、気になる部分へ移植する治療法です。移植することで薄毛部分の増毛はもちろん、移植した毛根がそのまま生着すれば、本来の髪の生え変わりを取り戻すことが期待できます。

自毛植毛の植毛法はクリニックによって様々ですが、メスを用いる「FUT法」や専用パンチで株(グラフト)ごと採取を行う「FUE法」、植毛針で毛髪一本々を植え込んでいく「ニードル法(CHOI式)」などあるので、傷跡の残り方や痛みの感じ方に合せて選択するといいでしょう。

びまん性脱毛症は保険適用になる?皮膚科や産婦人科など何科を受診する?

びまん性脱毛は保険適用になる?病院について

びまん性脱毛症の治療は、あくまでも容姿の美化が治療の目的のため、自由診療」に分類されます。そのため、保険適用にならず、治療費は全額自己負担になることを覚えておきましょう。

びまん性脱毛は保険適用外

また、びまん性脱毛症は女性の薄毛治療専門のクリニックだけでなく、一般診療を行う皮膚科・産婦人科でも治療が行えますが、皮膚科・産婦人科でびまん性脱毛症の治療を受けた場合でも保険適用の対象にはならないので、注意しましょう。

ただし、「円形脱毛症」や「甲状腺機能低下症」など、びまん性脱毛症だと思い込んでいた薄毛の症状が、別の疾患からくるものだった際は保険が適用される場合があるため、まずはクリニックで診断してもらいましょう。

びまん性脱毛症はどれくらいで治る?治療期間について

びまん性脱毛の治療期間

びまん性脱毛症の治療効果は、治療を開始してから、約6ヶ月ほど経過した頃に表れると言われています。しかし、治療法や治療薬によって効果の表れ方に個人差があるため、少なくとも1年は治療を継続するようにしましょう。

1年以上経過しても治療の効果が見られない場合は、治療プランが適していない場合や、他の原因が考えられるため、早めに医師に相談しましょう。

また、治療効果が得られたとしても、治療を中断してしまうことで頭皮環境やホルモンバランスが乱れ、びまん性脱毛症を再び発症してしまう可能性があるため、治療内容を見直したい場合も、必ず医師に相談するようにしましょう。

びまん性脱毛症を自力で治すには?対策やセルフケアを紹介

自力でびまん性脱毛を治すセルフケア

びまん性脱毛症を自力で治すことや自然治癒を期待することは難しいですが、びまん性脱毛症の治療を行いながら、生活習慣の見直しやヘアケアなどによる対策をすることで、びまん性脱毛症の改善をサポートすることが可能です。

日々の生活の中でできる対策法やセルフケアのやり方をご紹介するので、治療と併せてびまん性脱毛症の対策を行いたい方は、チェックしてみてください。

びまん性脱毛症を回復?食べ物やサプリメントで栄養補給

毛髪や頭皮は「タンパク質」「亜鉛」によって構成されているため、肉や魚、大豆などの食品を積極的に摂ると良いと言われています。そのほかに、代謝を助けたり抗酸化作用がある「ビタミンB」「ビタミンC」「ビタミンE」も野菜やナッツ類などから摂取すると、頭皮環境が整いやすくなります。

びまん性脱毛に良い栄養素・食材一覧

こうした栄養素は、毎日の食事でバランス良く摂ることが望ましいですが、どうしても難しい場合は、サプリメントで補うといいでしょう。

原因の項目でも触れましたが、脂質や糖質が多い食事やタバコ・アルコールは、皮脂の分泌を増加させたり血行を悪化させてしまう可能性があるため、頻度や量には気を付けるようにしましょう。

びまん性脱毛症を予防!おすすめのシャンプーで頭皮マッサージ

びまん性脱毛症を発症している頭皮・毛髪は外部からの刺激に弱くなっているため、洗浄力の高いシャンプーを使用していると、日常的に頭皮にダメージを与えてしまっている可能性があります。

びまん性脱毛症を発症している頭皮や毛髪におすすめの成分をご紹介するので、シャンプー選びの際に参考にしてみてください。

シャンプーに含まれるびまん性脱毛症におすすめの成分
アミノ酸 ・低刺激
・適度な洗浄力がある
・保湿力がある
タウリン ・低刺激
・適度な脱脂力がある
・保湿力がある
ベタイン ・低刺激
・保湿力がある
グリセリン ・低刺激
・保湿力がある
ヒアルロン酸 ・保湿力がある

びまん性脱毛症の対策として使用するシャンプーを選ぶ際は、「低刺激」「保湿力がある」「洗浄力が高すぎない」の3つのポイントを抑えて成分をみるといいでしょう。

薄毛が気になる方はアミノ酸系・べダイン系のシャンプーがおすすめ

頭皮環境が乱れていると、皮脂の分泌量が多く髪がベタつくため、洗浄力が高いアルコール系・オレフィン系の成分を含んだシャンプーでさっぱりと洗い上げたいと思う女性もいると思いますが、かえって頭皮に負担をかけてしまい、びまん性脱毛症を悪化させてしまう恐れがあるため、使用を控えましょう。

洗髪の際に頭皮マッサージを取り入れることも、びまん性脱毛症の対策に繋がります。

頭皮マッサージの方法3種類
  • 両手のひらで頭を挟むようにして、頭皮をもみほぐす
  • 両手の指の腹を使って、こめかみ付近をリフトアップ
  • 両手の指先で頭を掴むように持ち、くるくると円を描くようにマッサージする

頭皮マッサージを行うことで、頭皮の血行を促進することができます。頭皮マッサージを行う際は、強い力を加えず程よい力加減で優しくもみほぐしましょう。

びまん性脱毛症には育毛剤でヘアケア

育毛剤自体に発毛効果はありませんが、びまん性脱毛症の治療を行いながら育毛剤を使用することで、毛髪の成長をサポートし、頭皮環境を整えることが期待できます。

保湿力がある「アロエエキス」や血行を促進させる「アデノシン」など様々な有効成分を含んでいる育毛剤は、医薬部外品として薬局やドラッグストアなどで購入することが可能です。

市販で買える育毛剤のおすすめ成分一覧

男性向けよりも低刺激な女性向けの育毛剤も販売されているので、びまん性脱毛症の対策として使用したい方は検討してみてください。

びまん性脱毛症に漢方(加味逍遥散)やエクオールを使用してもいい?

今回この記事でご紹介しているびまん性脱毛症の治療法や治療薬は、西洋医学のものなので、東洋医学とは考え方が異なりますが、東洋医学にも、女性の薄毛やびまん性脱毛症の原因や治療に対する考え方は存在します。

東洋医学上のびまん性脱毛症の原因と漢方薬
原因の名称 原因の考え方 効くとされる漢方薬
血虚(けっきょ) 血流の滞りによって抜け毛が起きている ・加味逍遥散
・桂枝加竜牡蠣湯
・婦宝当帰膠
・十全大補湯
腎虚(じんきょ) ホルモンバランスの乱れによって抜け毛が起きている ・八味地黄丸
・六味地黄丸
湿熱(しつねつ) 体内に溜め込まれた熱や湿気によって頭皮環境が乱れている ・黄連解毒湯

びまん性脱毛症の原因が上記のものであれば、漢方薬を使用して治療を行うことが可能ですが、FAGAが原因の場合、男性ホルモンを抑える効果が認められている漢方薬はないため、治療が難しくなります。

また、びまん性脱毛症治療やFAGA治療についてのガイドラインでは、漢方薬を使用した治療法についての言及はないため、漢方薬を用いてびまん性脱毛症を治療したい女性は、一度医師に相談してみるといいでしょう。

そのほか、大豆由来の「エクオール」という成分でびまん性脱毛症を対策する方法もあります。エクオールは、腸内細菌の一種であるエクオール産生菌が作る成分であり、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあると言われています。

エクオールについての図説

腸内でエクオールを産生できる体質の方は、日本人女性の場合2人に1人と言われていますが、日常の食事で豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品を積極的に取り入れたり、サプリメントとして販売されている「エクオール」を摂取することで、エクオール産生菌が定着が見込める可能性があります。

エクオールの産生能力を高めることで、女性ホルモンの減少によるびまん性脱毛症の対策に繋がるでしょう。

びまん性脱毛症の隠し方!おすすめの髪型を紹介

びまん性脱毛隠しにおすすめの髪型

「びまん性脱毛症を気にしておしゃれが楽しめない」「薄毛を隠せるヘアスタイルが知りたい」という女性へ向けて、おすすめの髪型やウィッグの使用についてご紹介します。

びまん性脱毛症を今すぐおしゃれに隠したいという方は、チェックしてみてください。

びまん性脱毛症の女性に似合うヘアスタイル

ショートヘアの女性の写真 髪を短くカットすることで、髪の重みで毛根に負担をかけることを防ぎながら、トップにふんわりとボリュームを出すことができます。
前髪でアレンジを楽しめるうえに、すっきりとした印象になります。
レイヤーカットの女性の写真 ミディアムやロングヘアを好む方におすすめの髪型です。髪に段差を作ることで、トップにボリュームが出せて、立体的なシルエットになります。
毛先に動きが出るため、セットも楽しめるでしょう。
パーマヘアの女性の写真 カットせずに薄毛を隠したい方は、毛先にパーマをかけてボリュームを出すスタイルがいいでしょう。
セットがしやすく、ヘアアクセサリーを使用したアレンジを行った際も、華やかな印象にまとまります。

そのほかにも、「普段の分け目を変える」「前髪を厚めに作る」などの工夫で、びまん性脱毛症による薄毛を隠すことも可能なので、試してみてください。

びまん性脱毛症におすすめのカラーリング

びまん性脱毛症による薄毛を目立たせないカラーリングは7~8トーン程度がおすすめです。

ヘアカラーの7-8トーンの参考画像

ハイトーンなカラーリングは地肌の色と近い色味になってしまうため、より薄毛を目立たせてしまう可能性があります。落ち着いた自然な色味にすることで、薄毛の印象を和らげることができるでしょう。

ただし、頻繁なヘアカラーは頭皮に負担をかけてしまうため、頻度には気をつけましょう。

びまん性脱毛症にウィッグやヘアピースは目立つ?

頭部全体を覆う「フルウィッグ」や、つむじや分け目部分に被せる「ヘアピース」を使用すると、薄毛がかえって目立ってしまうのではないかと思う方もいると思いますが、最近は通販で数千円から購入できるものも多くなってきているため、びまん性脱毛症を隠す方法として、取り入れることもいいでしょう。

ただし、長時間の装着によって頭皮が蒸れたり、地肌や地毛を傷つけてしまう可能性があるため、あくまでも一時的な方法として行うようにしてください。

びまん性脱毛症を自力で治すには?

びまん性脱毛症の初期症状は髪質や毛量で見分けられ、生活習慣やヘアダメージ、ホルモンバランスの乱れからくるFAGAなどが原因で引き起こされていると考えられています。

びまん性脱毛症を自力で治すことは難しいですが、パントガールやスピロノラクトン、ミノキシジルなどを用いたびまん性脱毛症の治療を行うことで、薄毛や抜け毛の症状が改善される可能性があるため、早めに医師に相談してみましょう。

びまん性脱毛症の治療が行える病院やクリニックの中には、無料カウンセリングを設けているクリニックもあるため、びまん性脱毛症の症状が気になる女性は足を運んでみてください。

>>女性の薄毛治療のおすすめクリニックはこちらで紹介!

 
B&Hメディカル