AGA治療薬の副作用

現在利用されているAGA治療薬は、安全性は高いものの、副作用が起こる可能性はゼロではありません。
どのような副作用が起こるかは、有効成分によって異なります。
プロペシア(フィナステリド)、ミノキシジル、ザガーロ(デュタステリド)では、どのような副作用が起こりうるか、それぞれ解説します。
プロペシア(フィナステリド)の副作用
プロペシア(成分名はフィナステリド)の服用で起こりうる副作用として、以下のものが挙げられます。
- 性欲減退
- 勃起不全
- 精液減少
- 倦怠感・食欲不振
- 肝機能障害
- 抑うつ状態
ただし、いずれも確率は極めて低く、性欲減退は1.1%、勃起機能不全は0.7%、肝機能障害は0.2%とされています。
副作用を心配しすぎて心因性のEDとなってしまうこともあるため、気にしすぎないことが大切です。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルには、外用薬と内用薬があり、起こりうる副作用が異なります。
外用薬- 頭皮のかゆみやかぶれ
- 立ちくらみ・めまい
- 動悸・息切れ
- むくみ
- 肝機能障害
- 多毛症
ミノキシジルの副作用が生じる確率は、厚生労働省の調査によれば、8.82%とされています。
とくに服用をはじめて1~2ヵ月はなんらかの副作用が起こることがありますが、体がお薬に慣れてくると、次第におさまってきます。
ほとんどの場合は軽症ですが、気になる場合は、医師にご相談ください。
また、ミノキシジルの内服薬は、多毛症の副作用が起こることがあります。
頭皮以外の体毛も濃くなってしまう症状ですが、気になる場合は、服用量の調整や薬の変更でおさまることもあるため、医師にご相談ください。
ザガーロ(デュタステリド)の副作用
ザガーロ(成分名はデュタステリド)で起こりうる副作用は、以下のようなものになります。
- 性欲減退
- 勃起不全
- 精液減少
- 倦怠感・食欲不振
- 肝機能障害
ザガーロはプロペシアとよく似た作用機序のお薬のため、副作用も似たようなものが起こりえます。
ザガーロはプロペシアよりも効果があるとされていますが、その分副作用が起こる確率も高いため、注意が必要です。
臨床試験では、勃起不全は全体の4.3%、性欲減退は3.9%、精液量減少は1.3%の方に見られたとされています。
とくに肝臓に持病がある方は、医師によくご相談の上、治療する必要があります。

AGA治療薬が男性機能や妊娠におよぼす影響
AGA治療薬が、母体や胎児に影響をおよぼすことは、ほとんどないといわれています。
AGA治療薬が精液に移行することは投与量の0.00076%以下だったという実験結果があるため、妊活中の方でも、心配する必要はありません。
ただし、確率は低いものの、EDや性欲減退などの副作用が生じる可能性はあります。
その場合は、ED治療薬と並行して治療することも可能です。
なお、プロペシアとザガーロは、とくに妊娠中の女性の服用は禁止されています。
胎児の発育に影響をおよぼす危険があるためです。
女性が割った錠剤に触れてしまうこともよくないとされているため、誤って触れないよう、お薬の管理には注意しましょう。
AGA治療薬で副作用を感じたときの対処法
AGA治療薬を利用していて副作用を感じた場合は、すぐに医師にご相談ください。
副作用によって、そのまま様子を見るか、減薬するか、治療を中止するかを判断させていただきます。
現在使用されているAGA治療薬は安全性は高いものの、治療開始してすぐは、軽度の副作用があらわれることもあります。
体が慣れてくれば副作用はおさまることがほとんどですので、自己判断で中止や減薬はしないようにしましょう。
男性の場合は、とくにEDなどの性機能に関わる副作用が気にかかる方が多いかもしれませんが、気にしすぎて、精神的なことが原因で勃起不全となってしまうこともあります。
起こる確率は極めて低いため、過度に気にしすぎないことも大切です。
AGA治療薬の副作用以外の注意点
AGA治療薬は、副作用以外にも注意が必要な点がいくつかあります。
利用する前に、確認しておきましょう。
個人輸入(通販)ではなくクリニックに処方してもらう
現在、個人輸入代行サイトなどを通じて、プロペシアやミノキシジル、ザガーロなどが購入できるようになっています。
ですが、個人輸入でお薬を購入した場合、何かあったとしてもすべて自己責任となってしまいます。
また、個人輸入代行サイトで販売されている医薬品は、約半数が偽物であったという調査結果もあります。
偽物の場合、効果がないばかりか、体に重篤な被害がある可能性もあるため、安いし手軽だから、という理由で、安易に利用せず、服用薬や持病がある方はもちろん、健康上問題がない方も、クリニックで医師に処方してもらうようにしましょう。
未成年や女性の服用は注意
プロペシアとザガーロは、女性と未成年が使用することは禁止されています。
とくに男性ホルモンのはたらきを阻害するため、未成年が服用すると、男性機能に悪影響をおよぼす可能性があります。
経皮吸収されるため、ご家族に未成年や女性がいらっしゃる場合は、誤って触れないように注意しましょう。
お酒を飲みすぎない
AGA治療中も、お酒を飲むことは禁止はされていませんが、過度な飲酒は控えるようにしましょう。
AGA治療薬の副作用として肝機能障害がありますが、お酒を飲むと、アルコールを分解するために肝臓に負担がかかってしまいます。
お酒を我慢することでストレスになってしまうのもよくありませんが、治療中は、適度な飲酒を心がけるようにしましょう。
献血に注意
AGA治療中に献血をすると、薬の成分が含まれた血液が妊娠中の女性に輸血されてしまう可能性があります。
妊娠中の女性がフィナステリドなどを摂取してしまうと、胎児に影響をおよぼす危険があるため、AGA治療薬を服用している間は、献血は禁止されています。
また、服用を中止した後も体内に薬が残っているため、中止後1ヶ月は献血ができません。
もしも誤って献血してしまった場合は、すぐに献血センターにご連絡ください。