デュタステリド

デュタステリド

デュタステリドとは

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デュタステリド(Dutasteride)とは、薄毛治療薬ザガーロ」や前立腺肥大症治療薬「アボルブ」の主成分です。最新のAGA治療薬として、世界85ヶ国で処方され、日本でも厚生労働省に認可されています。

AGA治療薬として有名なプロペシアの主成分、フィナステリドと似たはたらきですが、フィナステリドよりも1.6倍も増毛効果があるとされているため、フィナステリドでは効果が得られなかった方でも、改善が期待できます。また、内服薬のため、1日1回服用するだけでよく、治療の手間もかかりません。

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ザガーロの詳細

デュタステリドの効果

デュタステリドの主な効果は、脱毛の抑制です。また、発毛効果も認められています。

AGA(男性の薄毛)の原因には、さまざまなものが挙げられますが、そのなかでも主な原因となるのが、男性ホルモン「テストステロン」の影響です。

テストロテンは、「5α還元酵素」という酵素によって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」というホルモンに変化します。このDHTがヘアサイクルに悪影響を及ぼし、薄毛が進行するとされています。

デュタステリドには、5α還元酵素を阻害するはたらきがあります。AGAの原因を抑制することで症状の進行を防ぎ、改善に導くのです。

また、5α還元酵素は、「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類が存在します。デュタステリドは、Ⅰ型とⅡ型の両方に効果を発揮するため、より多くのAGA患者の方に改善が期待できます。


ミノキシジルとの併用で効果倍増

AGA治療薬の成分として、デュタステリドと並んで有名なもののひとつに、ミノキシジルが挙げられます。同じAGA治療薬の成分ですが、デュタステリドとミノキシジルは、作用機序が異なります。デュタステリドは脱毛抑制に特化した成分ですが、ミノキシジルは、発毛に特化しています。

併用することで相乗効果が得られ、どちらからだけを使用するよりも、早い段階で高い効果が得られることが期待できます。とくに進行しているAGAの方は、併用することがおすすめです。

ミノキシジルの詳細

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デュタステリドの副作用

デュタステリドは、重篤な副作用が起こることは、ほとんどありません。ただし、薬である以上、副作用が起こる可能性もゼロではありません。起こりうる副作用として、次のようなものが挙げられます。

  • 勃起機能不全(ED)
  • 性欲減退
  • 発疹
  • 抑うつ気分
  • 腹痛

とくに気にされる方が多いのが勃起機能不全(ED)などですが、起こる確率は0.7%程度と低いものです。 気にしすぎると心因性のEDとなってしまう可能性もあるため、過度に心配しないようにしましょう。

デュタステリドを服用して気になることがある場合は、服用を中止して、医師にご相談ください。

デュタステリドの初期脱毛

デュタステリドを服用して、初期脱毛が起こるというケースも考えられます。初期脱毛とは、服用してから1~2ヶ月で脱毛が起こる症状です。

これは、ヘアサイクルが関係します。乱れていたヘアサイクルが正常に戻るために、古い毛髪が抜けて、健康な毛髪が生えてくるようになります。つまり、初期脱毛は、お薬が効いていることの証でもあるのです。

ミノキシジルほど発毛効果があるわけではないため、あらわれる頻度が高いわけではありませんが、起こる可能性はゼロではありません。
一般的には一時的なもので、見た目に大きな影響はありませんが、気になる方は、医師にご相談ください。

なお、デュタステリドのみを利用されている場合、初期脱毛が起こらないこともありますが、その場合はとくに心配する必要はありません。

参照:ザガーロ添付文書

デュタステリドとフィナステリドの違い

デュタステリドと、プロペシアなどの主成分であるフィナステリドは、ほぼ同じ作用機序をもつ成分ですが、主な違いは、次のようなものになります。

  • 発毛効果はデュタステリドが1.6倍高い
  • デュタステリドは5α還元酵素Ⅰ型にも効果がある
  • デュタステリドのほうが薬価が高め
  • フィナステリドのほうが早く効果があらわれる
  • デュタステリドのほうが半減期が長い
  • デュタステリドのほうが副作用があらわれやすい

フィナステリドは脱毛予防効果に留まりますが、デュタステリドは、発毛効果も認められています。また、フィナステリドは5α還元酵素Ⅱ型のみにしか効果がないため、Ⅰ型が原因のAGAの方には、効かないことがあります。一方デュタステリドは、Ⅰ型とⅡ型の両方に効果が見込めます。

ただし、デュタステリドは効果が高い分、価格も若干高く、副作用もあらわれやすいというデメリットがあります。

また、一般的にデュタステリドの効果があらわれるのは6ヶ月から1年とされていますが、フィナステリドは3ヶ月から6ヶ月とされているため、フィナステリドのほうが効果が早く得られやすいといえます。
なお、血中半減期は、フィナステリドは6〜8時間ですがデュタステリドは3〜5週間とはるかに長いという違いもあります。

どちらが適しているか迷われる場合は、医師にご相談ください。

フィナステリドの詳細

デュタステリドとミノキシジルの違い

デュタステリドとミノキシジルは、どちらも薄毛治療の薬の成分です。
しかし、はたらきが異なります。

デュタステリド:脱毛の抑制
ミノキシジル:発毛の促進

デュタステリドはフィナステリドよりも発毛効果があるとされていますが、それでもミノキシジルほどの効果は期待できません。
ある程度進行したAGAの方は、デュタステリドで脱毛を防ぎつつ、ミノキシジルで発毛を促す治療方法をとることが推奨されています。

また、デュタステリドは飲み薬のみですが、ミノキシジルは飲み薬だけでなく、塗り薬も販売されています。
飲み薬の副作用が気になる方や、体毛が増えるのは困るという方は、ミノキシジルの塗り薬も検討してみましょう。

ミノキシジルの詳細

デュタステリドの飲み方

デュタステリドは、1日1回、水やぬるま湯で服用します。カプセルは噛まずに、そのまま飲みこみましょう。

食事の影響はほとんど受けないため、服用するタイミングは、食前でも食後でも構いません。ただし、24時間おきに服用するほうが効果が得られやすいため、できるだけ毎日同じ時間に服用するのがおすすめです。

デュタステリドが効かない原因と対処法

デュタステリドは、薄毛治療への効果を、2015年9月に厚生労働省に認可されています。ただし、なんらかの原因で、効果が得られない場合もあります。デュタステリドが効かないとされる原因と対処法をご紹介します。

参照:Press Release - グラクソ・スミスクライン株式会社

AGAの症状が進行している

デュタステリドは、フィナステリドよりは発毛効果が高いとされていますが、脱毛予防に特化した成分です。AGAの症状が初期段階であれば、脱毛を予防するだけでAGAが改善されることもありますが、ある程度進行した方は、脱毛予防だけでなく、さらに増毛させる対策が必要になります。

厚生労働省で発毛効果が認められている成分は、ミノキシジルです。日本では市販の育毛剤にも配合されていて、病院やクリニックなどでは、内服薬も処方されます。

脱毛予防のデュタステリドやフィナステリドと、発毛促進のミノキシジルは、日本皮膚科学会ガイドラインでも、「推奨度A」と、もっともすすめられている成分です。
このふたつを併用した治療が、もっとも治療効果が高いとされています。

当クリニックでは、ミノキシジルの内服薬や、市販の育毛剤よりも高濃度の塗り薬をご提供しています。デュタステリドだけでは効果が得られなかった方は、ミノキシジルとの併用をご検討ください。

ミノキシジルの詳細

参照:日本皮膚科学会ガイドライン

用法用量が間違っている

お薬は、用法用量を守らなければ、正しい効果が得られません。デュタステリドは1日1回、毎日忘れずに服用するようにしてください。
飲み忘れが続いて1日おきの服用などにならないよう、注意しましょう。
また、服用間隔は、できれば24時間になるようにしたほうが効果が得られやすいとされています。
厳密に考える必要はありませんが、可能な限り、毎日同じ時間帯に飲むようにするのがおすすめです。

服用期間が短い

デュタステリドの効果が得られるのは、6ヶ月から1年程度とされています。早ければ3ヶ月程度で効果を得られることもありますが、すぐに効果が得られるわけではありません。
薄毛の治療は、ヘアサイクルも関係するため、1ヶ月や2ヶ月では効果は得られないのです。
服用してからすぐに効果がないからといって諦めるのではなく、ある程度、根気よく治療する必要があります。
治療中に効果が得られずにご不安な場合は、お気軽に医師にご相談ください。

AGA以外が原因の薄毛

男性の薄毛の原因は、ほとんどがAGAと考えられますが、AGA以外が原因で薄毛になっているケースもあります。そのような場合は、デュタステリドでは効果を得られません。

甲状腺・腎不全などの病気で薄毛になっている場合や、円形脱毛症、びまん性脱毛症、抗がん剤による脱毛などの場合、デュタステリドでは効果が得られません。
薄毛の原因がおわかりにならない場合は、当クリニックにご相談ください。

偽物のデュタステリドだった

近年は、個人輸入代行業者などのの通販でデュタステリドを購入される方が増えています。
安く、手軽に購入できるメリットがありますが、個人輸入代行業者で流通している薬の約半数が偽物だったという調査結果もあるため、注意が必要です。
詳しくは後述しますが、個人輸入代行業者を利用して医薬品を入手することは、厚生労働省からも注意喚起されています。

個人輸入代行業者から購入した場合、なにかあったとしても、すべて自己責任となってしまいます。
安いからといって、安易に利用しないようにし、信頼できるクリニックや病院で処方してもらいましょう。

デュタステリドを服用できない方

デュタステリドは、次の方は服用ができません。

  • 含有成分にアレルギーをおもちの方
  • 14歳未満の方
  • 女性
  • 重度の肝機能障害のある方

デュタステリドは、女性は服用できません。とくに妊娠している方や妊娠している可能性のある方、授乳中の方は注意が必要です。誤って服用してしまうと、胎児や乳児の生殖器官の発育に、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

服用するだけではなく、皮膚からも成分が吸収されてしまうため、ご家庭に女性がいる場合は、触れないように管理に気をつけましょう。

FAGA(女性の薄毛)の治療をしたい場合は、ミノキシジルや育毛メソセラピーなどを利用しましょう。

FAGA治療の詳細

デュタステリドの服用に注意が必要な方

デュタステリドは、以下の方は服用に注意が必要です。利用する前に、医師に確認しましょう。

  • 肝臓病の方
  • 前立腺肥大症の方
  • PSA値が基準値(4.0ng/mL)以上の方
  • 前立腺癌が陰性、かつPSA値2.5〜10.0ng/mLの方
  • 20歳未満の方

デュタステリドの注意点

デュタステリドを利用する場合、以下のような点に注意しましょう。

女性・小児は利用できない

デュタステリドは、女性や小児(14歳未満)は利用できません。とくに妊娠している方や妊娠している可能性のある方は注意が必要です。
胎児が男児である場合、生殖器官の発達に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
皮膚からも成分が吸収されるため、中身が漏れてしまった場合、女性や小児は触れないように注意が必要です。
もしも触れてしまった場合は、すぐに石けんと水で洗い流してください。
女性やお子さんと同居されている方は、保管にも気を配りましょう。

前立腺がんの検査には注意

前立腺がん検査でPSA値(前立腺特異抗原)を測定する場合、デュタステリドを服用している旨を医師に伝えましょう。
臨床試験において、PSA値が40~50%低下したというデータもあるため、前立腺異常の発見が遅れてしまう可能性があります。

一般的な健康診断においては数値に影響がでることは滅多にありません。
ただし、PSA値を調べられる場合もあるため、健康診断の際も、できれば医師にデュタステリドを服用していることを伝えるのがおすすめです。

献血・輸血はできない

デュタステリドを服用している間は、献血ができません。
女性や小児に輸血されてしまう可能性があるためです。
また、デュタステリドは血中半減期が長いため、服用を中止した後も、6ヶ月は献血が禁止されています。
服用中や、中止後6ヶ月以内に献血をしてしまった場合は、すぐに献血センターへ連絡しましょう。

参照:献血をご遠慮いただく場合|東京都赤十字血液センター|日本赤十字社

飲み合わせに注意が必要な薬

デュタステリドに併用禁忌薬(併用が禁止されているお薬)はありませんが、併用注意薬はあるため、お薬を飲まれている方は、事前に確認しましょう。

  • プロテアーゼ阻害薬(リトナビル、インジナビル、サキナビル、ネルフィナビル)
  • マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス)やエリスロマイシン(エリスロシン)
  • アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)やケトコナゾール
  • 抗うつ薬(ネファゾドン)

上記以外でも、服用しているお薬がある方は、事前に医師にご相談ください。

デュタステリドの通販(個人輸入)

デュタステリドを含むザガーロなどの治療薬は、個人代行業者などを利用して購入することも可能です。グレーゾーンではあるものの違法ではありませんし、安く、病院に行くよりも簡単に購入できます。

ただし、このような通販で流通している薬は、半数が偽物だったという調査結果もあります。効果がまったくないだけでなく、有害物質が配合されていて、健康被害があった事例が国内でもあるのです。

このことから、医薬品の個人輸入については、厚生労働省からも注意喚起がされています。

個人輸入代行業者を利用して被害にあった場合、すべて自己責任となってしまいます。安全のためにも、信頼できる病院やクリニックで処方してもらいましょう。


参照:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」

デュタステリドに関するよくある質問

デュタステリドとフィナステリドは切り替えができますか?

デュタステリドとフィナステリドは、似たはたらきのある成分です。
フィナステリドで効果が得られなかったとしても、デュタステリドで効果が得られるケースもございます。
これは、フィナステリドが効果があるのは5α還元酵素Ⅱ型だけであるのに対し、デュタステリドは5α還元酵素Ⅰ型とⅡ型の両方に効果があるためです。
また、デュタステリドのほうが発毛効果が1.6倍高いとされています。
ただし、副作用はデュタステリドのほうがあらわれやすい点には、注意しましょう。
フィナステリドからデュタステリド、またはその逆の切り替えをお考えの方は、医師にご相談ください。

デュタステリドとフィナステリドは併用できますか?

デュタステリドとフィナステリドはほぼ同じ作用機序の成分です。そのため、併用する意味はほとんどありません。
副作用が強くでてしまうなどのリスクも考えらえます。
より高い効果を得るために、ほかのお薬や治療法を併用したい場合は、作用機序の異なるミノキシジルや、頭皮に直接成分を注入する育毛メソセラピーなどがおすすめです。

育毛メソセラピーの詳細

女性は利用できますか?

デュタステリドは、女性の服用は禁止されています。
男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が指摘されているため、妊娠中の方や妊娠している可能性がある方は、とくに注意が必要です。
成分に触れるだけでも危険ですので、カプセルから漏れでてしまった場合は、触らないようにしましょう。
女性が薄毛を治療する場合は、ミノキシジルや、育毛メソセラピーなどの利用が推奨されています。
当クリニックでは、女性の薄毛(FAGA)の治療も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

FAGA治療の詳細

健康保険は適用されますか?

デュタステリドをはじめ、薄毛治療は、健康保険は適用されず、自由診療(自費診療)となります。
これは、皮膚科などの一般的な病院で治療する場合も同様です。
なお、当クリニックでは、クレジットカードやメディカルクレジット(分割払い)はご利用いただけます。
詳しくは、お問い合わせください。

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