デュタステリドとは
デュタステリドの効果
デュタステリドの主な効果は、脱毛の抑制です。また、発毛効果も認められています。
AGA(男性の薄毛)の原因には、さまざまなものが挙げられますが、そのなかでも主な原因となるのが、男性ホルモン「テストステロン」の影響です。
テストロテンは、「5α還元酵素」という酵素によって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」というホルモンに変化します。このDHTがヘアサイクルに悪影響を及ぼし、薄毛が進行するとされています。
デュタステリドには、5α還元酵素を阻害するはたらきがあります。AGAの原因を抑制することで症状の進行を防ぎ、改善に導くのです。
また、5α還元酵素は、「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類が存在します。デュタステリドは、Ⅰ型とⅡ型の両方に効果を発揮するため、より多くのAGA患者の方に改善が期待できます。
ミノキシジルとの併用で効果倍増
AGA治療薬の成分として、デュタステリドと並んで有名なもののひとつに、ミノキシジルが挙げられます。同じAGA治療薬の成分ですが、デュタステリドとミノキシジルは、作用機序が異なります。デュタステリドは脱毛抑制に特化した成分ですが、ミノキシジルは、発毛に特化しています。
併用することで相乗効果が得られ、どちらからだけを使用するよりも、早い段階で高い効果が得られることが期待できます。とくに進行しているAGAの方は、併用することがおすすめです。
デュタステリドの副作用
デュタステリドは、重篤な副作用が起こることは、ほとんどありません。ただし、薬である以上、副作用が起こる可能性もゼロではありません。起こりうる副作用として、次のようなものが挙げられます。
- 勃起機能不全(ED)
- 性欲減退
- 発疹
- 抑うつ気分
- 腹痛
とくに気にされる方が多いのが勃起機能不全(ED)などですが、起こる確率は0.7%程度と低いものです。 気にしすぎると心因性のEDとなってしまう可能性もあるため、過度に心配しないようにしましょう。
デュタステリドを服用して気になることがある場合は、服用を中止して、医師にご相談ください。
デュタステリドの初期脱毛
デュタステリドを服用して、初期脱毛が起こるというケースも考えられます。初期脱毛とは、服用してから1~2ヶ月で脱毛が起こる症状です。
これは、ヘアサイクルが関係します。乱れていたヘアサイクルが正常に戻るために、古い毛髪が抜けて、健康な毛髪が生えてくるようになります。つまり、初期脱毛は、お薬が効いていることの証でもあるのです。
一般的には一時的なもので、見た目に大きな影響はありませんが、気になる方は、医師にご相談ください。
デュタステリドとフィナステリドの違い
デュタステリドと、プロペシアなどの主成分であるフィナステリドは、ほぼ同じ作用機序をもつ成分ですが、主な違いは、次のようなものになります。
- 発毛効果はデュタステリドが1.6倍高い
- デュタステリドは5α還元酵素Ⅰ型にも効果がある
- デュタステリドのほうが薬価が高め
- デュタステリドのほうが副作用があらわれやすい
フィナステリドは脱毛効果に留まりますが、デュタステリドは、発毛効果も認められています。また、フィナステリドは5α還元酵素Ⅱ型のみにしか効果がないため、Ⅰ型が原因のAGAの方には、効かないことがあります。デュタステリドは、Ⅰ型とⅡ型の両方に効果が見込めます。
ただし、デュタステリドは効果が高い分、価格も若干高く、副作用もあらわれやすいというデメリットがあります。
どちらが適しているか迷われる場合は、医師にご相談ください。
デュタステリドの飲み方
デュタステリドは、1日1回、水やぬるま湯で服用します。カプセルは噛まずに、そのまま飲みこみましょう。
食事の影響はほとんど受けないため、服用するタイミングは、食前でも食後でも構いません。ただし、24時間おきに服用するほうが効果が得られやすいため、できるだけ毎日同じ時間に服用するのがおすすめです。
デュタステリドを服用できない方
デュタステリドは、次の方は服用ができません。
- 含有成分にアレルギーをおもちの方
- 未成年者の方
- 女性
- 重度の肝機能障害のある方
デュタステリドは、女性は服用できません。とくに妊娠している方や妊娠している可能性のある方、授乳中の方は注意が必要です。誤って服用してしまうと、胎児や乳児の生殖器官の発育に、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
服用するだけではなく、皮膚からも成分が吸収されてしまうため、ご家庭に女性がいる場合は、触れないように管理に気をつけましょう。
FAGA(女性の薄毛)の治療をしたい場合は、ミノキシジルやメソセラピーなどを利用しましょう。
デュタステリドの通販(個人輸入)
デュタステリドを含むザガーロなどの治療薬は、個人代行業者などを利用して購入することも可能です。グレーゾーンではあるものの違法ではありませんし、安く、病院に行くよりも簡単に購入できます。
ただし、このような通販で流通している薬は、半数が偽物だったという調査結果もあります。効果がまったくないだけでなく、有害物質が配合されていて、健康被害があった事例が国内でもあるのです。
このことから、医薬品の個人輸入については、厚生労働省からも注意喚起がされています。
個人輸入代行業者を利用して被害にあった場合、すべて自己責任となってしまいます。安全のためにも、信頼できる病院やクリニックで処方してもらいましょう。